【電線御三家】フジクラが上方修正でPTS大幅高。古河電工、住友電工も上方修正するのか?
フジクラ、古河電工、住友電工の3社のCPOでの役割を整理し、個別の強みや最新の取り組みなどから上方修正の可能性を考察する
フジクラ(5803)が6月18日の引け後に「2027年3月期第2四半期(中間期)及び通期連結業績予想の修正」を発表した。
これを受け、PTSでは値幅上限まで買われている。
修正理由は、
情報通信事業で「当初計画では想定していなかったハイパースケーラーからの光コンポーネント製品のプロジェクト受注増加」および「売価の上昇」が発生。また「懸念されていた水素不足影響の緩和」により、大幅増収増益。下期も上期に実現した売価アップと水素不足緩和の継続が見込まれるとのこと。
この修正は「一過性の特需」ではなく、構造的なAIインフラ投資サイクルを示している。市場が織り込んでいた水準を大きく上回るサプライズで、AIデータセンター向け光学インターコネクトの需給が想定以上にタイトな状況である。
ハイパースケーラー(MSFT, GOOG, AMZN, META等)のAI関連capexは引き続き過去最高水準で推移・上方修正傾向が継続しており、GPUクラスタの大規模化(数十万GPU規模)で、帯域ボトルネックが深刻化している。
従来の光ファイバー/コンポーネントでは不足し、高密度・高速度対応品へのシフトと価格プレミアムが発生。フジクラの強みである、超高密度光ファイバーケーブルや接続技術はAIクラスタ内部配線で採用拡大が続いている。
以下の画像はXからの拾い画だが、光・フォトニクス関連のチップの図解などでも、FUJIKURAとSUMITOMOの名は何度見かけたかわからない。
こうなると、AIデータセンター向け高密度・高心数光ファイバーケーブルの恩恵を受けている電線御三家の他の2銘柄、古河電工、住友電工も上方修正を行うのではないか?と考えるのは自然な流れだ。
その前に、この3社のCPOでの役割の違いを見た方が理解が進む。
フジクラ・住友電工・古河電工 3社のCPO比較
主に、フジクラは高密度ファイバー接続、住友電工は高精度光結合・統合プラットフォーム、古河電工は光源+熱管理に強みを持つ。
フジクラは、すでに需給逼迫の果実を享受し、量と価格の両面で短期的に最も恩恵を受けやすい。
住友電工はVCBELプラットフォームなどの技術的に優位性を持ち、中長期で最も差別化につながる可能性が高い。
古河電工は、水冷という独自テーマの成長ドライバーを持つ。光源部品の新工場稼働が2026年後半〜2027年に寄与する見込みだ。
フジクラの位置づけ
フジクラはCPOにおいて高密度光ファイバーアレイと接続部材の分野で強みを発揮。AIクラスタの大規模化に伴う大量光配線需要に対し、超高密度ファイバー(数千〜1万心超)やマルチコアファイバー(MCF)で「光の配管」として機能している。
Corningや住友電工らと共同でMCF設計の業界MSAを推進し、PRIZM TMT拡張ビームフェルールなどの高密度接続技術を強化している。
CPO関連のファイバー需要がすでに収益に直結しており、収益モデルはボリュームと価格プレミアムの両面で恩恵を受けやすく、短期的な需給逼迫の恩恵を最も早く享受しやすい。
住友電工の位置づけ
住友電工は能動光学部品(InPレーザー・PD)と先進的な統合プラットフォームでCPOの技術的ボトルネックを解決する役割を担う。
2025年ECTCで発表した「ガラス基板+3DプリントVCBEL(Vertically-Coupled Beam Expanding Lens)」によるフリップチップ統合プラットフォームは、位置合わせの tolerance を大幅に改善し、CPO実用化の鍵となる技術として注目されている。
またNVIDIAのSiPhエコシステムパートナーに選定され、外部光源向け光コネクタや生産能力の5倍超拡大計画を進めている。
情報通信セグメントは売上比は小さいものの利益貢献度が極めて高く、過去数期で増益幅の過半を稼ぐ構造。収益モデルは高マージン部品とプラットフォームの付加価値が特徴で、中長期的にCPO採用が進むほどレバレッジがかかりやすい。
古河電工の位置づけ
古河電工は光源部品(DFBレーザーダイオードチップ)と水冷モジュールという独自の組み合わせでCPOを支えている。AI-DC向け光源部品の新工場投資(380億円規模、2028年生産能力5倍以上)を進めており、水冷モジュールは今期1000億円超、2029年3月期に4000億円規模を目指す第二成長ドライバーとして位置づけている。
光ソリューション事業の統合運営刷新も進めており、NokiaとのAIネットワーク協業なども推進。
では、気になる上方修正の可能性について考察しよう。




