賑わう量子コンピューター関連の日本株と米国株纏め。
米国政府から9社へのインセンティブ、量子コンピューターの今後の見通し、量子コンピューター関連の日本株20銘柄の詳細と+16銘柄のリスト
2026年5月21日、米商務省はCHIPS and Science Actに基づき、約20.13億ドルのインセンティブを9社に提供する意向書への署名を正式発表した。
これにより、量子コンピューター関連銘柄も力強い値動きを継続している。
そこで今回は、以下の内容を取り上げる。
1. 米国政府から9社へのインセンティブ
2. 量子コンピューターの今後の見通し
3. 量子コンピューター関連の日本株20銘柄の詳細と+16銘柄のリスト
を纏める。
量子×5月31日(日)の話題から見る大穴株(仮題)
については、当記事が長すぎるので次の記事にする。
この内容は独自性が高くエキサイティングなので、特にオススメだ。
1. 米国政府から9社へのインセンティブ
米政府は各社に対して少数株主持分を取得する。目的は、国内量子ファウンドリの整備と、複数モダリティにまたがる技術的ボトルネックの解決により、米国が大規模な量子コンピュータでリーダーシップを維持することにある。
9社のリスト
【量子ファウンドリ企業】
IBM(NYSE: IBM) 約10億ドル
新しい量子ファウンドリ子会社を設立し、量子グレードの超伝導ウェハー製造能力を強化。
GlobalFoundries(NASDAQ: GFS) 3.75億ドル
複数モダリティ(超伝導・トラップイオン・フォトニックなど)に対応するセキュアな国内量子ファウンドリを構築。
【量子コンピューティング企業】
D-Wave Quantum(NYSE: QBTS) 約1億ドル
アニーリングおよびゲートモデル超伝導システムの進化(qubit数・エラー率・材料・パッケージング)。
Rigetti Computing(NASDAQ: RGTI) 最大1億ドル
超伝導技術のスケーリング、次世代読み出し電子機器の小型化・統合、クライオスタットアーキテクチャ。
Infleqtion(NYSE: INFQ) 約1億ドル
中性原子ベースの大規模量子コンピュータ向けエンジニアリング。
Atom Computing(非上場) 約1億ドル
中性原子量子コンピューティングのハードウェア開発と、数万qubit規模のシステム統合。
PsiQuantum(非上場) 約1億ドル
フォトニック量子コンピューティングの材料・単一光子検出器・低損失パッケージングの課題解決。
Quantinuum(非上場、Honeywell関連) 約1億ドル
トラップイオン方式のフォールトトレラント量子コンピュータ向け、低損失フォトニクスと光学部品のスケーリング。
Diraq(非上場) 最大3,800万ドル
シリコンスピン量子コンピューティングの量子論理ユニット開発と製造・統合能力の加速。
2. 量子コンピューターの今後の見通し
量子コンピューティングは、2025年以降、研究開発の段階から商業的な転換点に達しつつある。
上記のMcKinseyのQuantum Technology Monitor 2026(2026年4月)によれば、300社を超えるグローバル企業がすでに採用を進めており、マルチビリオンドルの市場を形成している。
技術面では「NISQ(ノイズの影響を受けやすい中規模量子コンピュータ)」から、論理量子ビット(複数の物理量子ビットをエラー訂正符号で束ねて実現する安定した計算単位)への移行が本格化し、IBMなどは2026年内の特定タスクでの量子優位性(古典コンピュータを上回る実用的性能)実証と、2029年の大規模耐故障性量子コンピュータ(FTQC)実現を目指している。
市場規模の予測
調査会社により幅があるが、2025年時点で概ね15億〜35億米ドル規模とされ、2030年までに200億米ドル前後へ達するとの見方が主流である。
成長はハードウェアの進化、クラウドアクセスの 民主化、政府・民間投資の加速、そして創薬・金融・材料分野での高付加価値ユースケースに支えられている。
一方で、技術的ハードル、タイムラインの不確実性、人材・コスト面の制約も依然として大きい。
MarketsandMarkets(2025年9月報告):2025年 35.2億米ドル → 2030年 202億米ドル(CAGR 41.8%)
Fortune Business Insights(2025-2026年更新):2025年 15.3億米ドル → 2034年 183.3億米ドル(CAGR 31.6%)
その他(Precedence Researchなど):2025年頃14〜15億米ドル規模で、2030年代半ばまでに150〜200億米ドル前後への成長を予測する声が多い。
2026年時点の現状
技術的進展
現在の主力はNISQデバイスで、物理量子ビット数は数百〜低千台規模(IBM Heron/Nighthawkシリーズ、Google Willowなど)。
GoogleのWillowプロセッサではエラー訂正のスケーリング効果が実証され、MicrosoftとAtom Computingの共同研究では24の論理量子ビットが生成・もつれ状態にされた事例がある。
中性原子方式(QuEraなど)やトラップイオン方式でも論理量子ビット関連の進展が報告されている。ただし、実用的な大規模論理量子ビット(数百〜数千規模で低エラー率を維持)はまだ限定的で、物理量子ビットから論理量子ビットへの変換オーバーヘッドが大きな課題となっている。
商用化の兆し
量子コンピューティング企業の収益は2024年に6.5〜7.5億米ドル、2025年に10億米ドル超に達したとされる。IBMは90超の量子システムを世界に展開し、325社以上のFortune 500企業と協業している。
アクセス形態
QCaaS(Quantum Computing as a Service:クラウド経由で量子コンピュータを利用するサービス)が主流。IBM Quantum、Amazon Braket、Microsoft Azure Quantum、Google Quantum AIなどが参入障壁を大幅に下げている。
3. 量子コンピューター関連の日本株20銘柄の詳細と+16銘柄のリスト
1. フィックスターズ (3687)
量子×最適化計算のクラウドプラットフォーム「Fixstars Amplifyプラットフォーム」を展開。2026年5月に「Amplify Quantum」拡張機能を発表。量子インスパイアード最適化の実務利用を拡大。
量子アニーリング型とゲート型を抽象化し、既存のPythonコードで利用可能。GPUや古典シミュレータ上でも動作する柔軟性と、組み合わせ最適化問題への高い実用性が強み。
大手企業との多数の協業実績あり。IBMパートナー。2026年にドイツ量子スタートアップとも提携した。
Amplify関連が堅調に寄与し、2026年9月期中間決算で売上・営業利益増。すでに収益化が進んでおり、高利益率で業績に反映されている。
2. HPCシステムズ (6597)
HPCと量子シミュレーション・サービスを組み合わせたソリューションを提供。スーパーコンピューティングの知見を活かした量子シミュレーション環境の構築力は強み。
量子・HPC関連サービスが成長に寄与している。テーマ性で株価反応は大きいが、業績への具体的な大型反映はまだ発展途上。
3. 東芝 (6502)
量子インスパイアード最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン(SBM/SQBM+)」。2026年4月に新アルゴリズム(カオスの縁活用)で成功確率を大幅向上、速度10〜100倍を実現。
量子理論から着想を得た古典アルゴリズムで、大規模組み合わせ最適化を高精度・高速に解く実用性。故障耐性量子コンピュータを待たずに即戦力。
2026年5月に三井住友銀行と量子技術由来株価指数を共同開発。金融・創薬・物流・ロボット分野で実用展開を進めている。
4. セック (3741)
ゲート型量子コンピュータ向け量子ミドルウェア開発を推進。2025年に国の「ポスト5G/量子コンピュータ産業化のためのミドルウェア開発」プロジェクトに採択。
量子コンピュータの制御・運用を担うミドルウェア領域で国内トップランナー。クラウド基盤構築にも強み。
大阪大学と量子マルチプログラミング機能開発。富士通・TISと量子基本ソフトウェアのオープンソース化。理研「富岳」関連プロジェクトにも関与。
量子ミドルウェア・クラウド事業が成長領域として位置づけ。まだ全体業績に占める割合は小さいが、受注・プロジェクトで着実に反映され始めている。
5. テラスカイ (3915)
子会社Quemixが量子アルゴリズム開発を推進。Quantinuumのスタートアップパートナープログラム参加により実機アクセスを獲得。
量子化学計算向け独自アルゴリズム(PITE®)を開発・特許取得。Hondaと「量子状態を読み出す新技術」を共同開発し、実機で計算成功。
Hondaとの共同研究、Quantinuum提携、IBM Q Network参画。
Quemixの活動がテラスカイの成長領域として決算で言及され、過去最高更新に寄与。まだ小規模だが拡大傾向。
6. ユビキタスAI (3858)
耐量子暗号(PQC)の研究開発を加速。2026年5月12日に一般社団法人「量子フォーラム」に法人会員として加盟。
低価格Arm Cortex-MマイコンでのPQC実装に成功(2025年11月)。IoT製品への搭載を可能にし、セキュリティ2030年問題に対応。
量子フォーラム加盟により産学官連携を強化。
PQC関連の研究開発投資が進行中。まだ大規模な売上反映は限定的だが、将来のセキュリティ需要で寄与拡大が見込まれる。
7. シンデン・ハイテックス (3131)
blueqat社と提携し、高性能GPUサーバ販売+量子コンピューティングサービスの提供で量子市場に参入。
商社機能と量子クラウド・サービスを組み合わせたハード+ソフトのワンストップ提供。
8. Fusic (5256)
フィックスターズと提携し、量子アニーリングを活用した組み合わせ最適化システムの開発・導入を推進。
クラウドインテグレーションと量子最適化を組み合わせた実務向けソリューションが特徴。
量子関連のクロステクノロジー領域として成長を目指す段階。業績へはまだ小規模寄与。
9. YKT (2693)
子会社サンインスツルメントが極低温環境用電子部品・測定機器を供給。
量子コンピュータ研究に必要な冷却関連技術の商社機能も有す。
10. QDレーザ (6613)
量子ドットレーザー技術を活かした光部品を提供。
量子ドットレーザーによる高性能光源で光量子コンピュータや量子通信に寄与。
11. エヌエフホールディングス (6864)
量子研究開発向け電子計測機器を提供している。
微小信号処理・計測技術で量子実験を支援。
研究機関向け計測機器として貢献。
12. BlueMeme (4069)
低コードプラットフォームを量子アプリ開発支援に活用する可能性。
低コードによる迅速なアプリケーション開発に強み。
小型株としてテーマ感応度が高いが、量子特化の業績反映は限定的。
13. 東陽テクニカ (8151)
2026年4月にフィンランドIQM製超伝導量子コンピュータを日本で初めて導入決定(2026年末納品予定)。
海外量子ハードの国内導入・サポートを行う。
具体的な量子ハード導入プロジェクトとして注目。業績への反映はこれから。
14. 浜松ホトニクス (6965)
高性能光検出器・レーザーなどフォトニック量子コンピュータに不可欠な部品を提供。
光技術の高い精度と信頼性が強み。
フォトニクス分野の基盤企業として位置づけられている。
将来的な量子需要で拡大期待。
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